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【コラム】大衆文化とウィンドウトリートメント

住宅のウィンドウトリートメントに関連する先行研究を調べてみました。


できれば、個人的な興味から、「疫学( ※1/ Epidemiology)」特に「社会疫学」や「建造環境」分野での先行研究を知りたかったのですが、なかなか見つかりませんでした。


研究分野は異なりますが、ひとつ興味深い研究をご紹介させていただきます。1986年にアメリカのJean Gordon と Jan McArthurが発表した「Interior Decorating Advice as Popular Culture: Women’s Views Concerning Wall and Window Treatments, 1870-1920」です。


この発表によると、住宅のインテリアは一見「ぜいたく品」ととらえられがちだが、

「個人的」で且つ、有名なデザイナーや著名人の暮らしを起源に持ちながら

人々が暮らしをより快適にするために発展した「大衆文化」的な側面が大きいとのこと。


特に1920年代頃にはまだ、家事や家計の采配が女性にあったことから

女性たちが、限られた財源や布(資源)のなか、工夫をしながら空間を広く、明るく、快適に演出する装置として、住宅のウィンドウトリートメントに関心が寄せられたのだそうです。そのため、ウィンドウトリートメントに関する情報や商品の多くは「女性誌」でのみ紹介されたとのことでした。


現代において、弊社にお声がけいただくプロジェクトでは、お客様の男女比はあまりありません。オフィスや店舗だけではなく、住宅のインテリアデザインについても同様です。

昨今の SNS の普及やインテリア商材の拡充、家族の多様性、夫婦共働きの増加等もあり、

インテリアデザインへの興味は、1920年代と比べて性差がないのかもしれません。

(インテリア・デザイナーも性差がない気がします)


そんな中で、男女のご夫婦で居住する 住宅デザインに限ったことですが

お打合せに100%男性のみ出席されるプロジェクトでは、必ず... 途中で(長いもしくは、大きな)夫婦喧嘩が勃発します。。プロジェクトが延期や頓挫、または大幅なデザイン変更になるのです。(当社比です。女性のみでご参加の場合は、そのようなことはないのですが。。)

ご自宅のインテリア設計は、どのように暮らしたいかを考える機会となります。 お部屋の中は、とてもプライベートな空間です。

ご家族のご意見がまとまっていなくても、一緒に話し合う壁打ちとして、仲介者として、インテリアデザイナーをどんどん利用していただけると幸いです。

オシャレな空間を作りたいわけでなくても、全くかまいません。

お一人お一人が快適に、自分(たち)らしく暮らせるお手伝いができればうれしく思います。



また、ウィンドウトリートメント(カーテン、ブラインド、ローマンセード等)には室内の空調効率や断熱効果を高める他、UVカットや外部からの視線を遮る目的等もあります。

色柄だけでなく機能に合わせた様々な製品があります。お手入れがどの程度できるか、等によってもお勧めの商品がかわります。いろいろな観点から、空間にあうものをご紹介させて頂きたいと思います。


(※1)疫学は、定義された集団における健康と疾病の状態の分布や決定因子に関する学問とされています。


(イメージ画僧)1945年頃のアメリカの住宅 / Town of Tomorrow - Houses - Interior - Sitting room / ニューヨーク公立図書館所蔵.







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