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解剖美術画をアレンジさせて頂きました

大学 医学部解剖実習エリアの10数点の解剖美術画をコーディネート、設置させて頂きました。

教材として用いられます。

多くは写真技術ができる以前の16~19世紀の作品がメインでした!

すべて複製画のため、版権の問題や、コロナ禍での海外かの納品可否・コストなどを1つ1つ確認。アート全体のストーリーもかんがみるため、2年越しで医師先生方と一緒にコーディネーションのお手伝いをさせて頂きました。



アーネスト・ボード作 「モンディーノ・デ・ルッツィ」


14世紀初頭のイタリアの医者モンディーノ・デ・ルッツィを描いた作品。彼は人体解剖を行いながら講義をするという事を最初に始めた人物(解剖医)とされているそうです。

左上の壇上にいるのは内科医。当時は内科医が外科医や解剖医よりも権威があり、壇上から解剖の指示をしたのだとか。(この作品より前は解剖医ではなく、理容師が解剖していたのだそうです)



レンブラント・ファン・レイン作「ニコラス・テュルプ博士の解剖学講義 」1632年


有名な解剖美術画で、博士が腕の筋肉を説明し、受講する医師が熱心に聞いているシーン。

受講者たちは目の前の御献体よりも右手前の教科書を熱心に眺めており、プロの先生方がみると、ちょっとおかしな状況なのだとか。

遺体は矢作り職人のアーリス・キントであり、凶器強盗の罪で午前中に処刑されたばかりであったというお話もあります。(当時はまだ、罪人が御献体であったり、術衣が確立されていなかった時代であることが他の絵画からも伺えました)


Andreas Vesalius作「Skeleton」16世紀


骨格解剖学の絵画です。骨格は人間の死を考えているようで、墓の上に肘をついて、片手に頭をもたせ、骸骨はもう片方の手で頭蓋骨をつかみ、瞑想的なポーズをとっています。


...


医学生になぜこの絵画たちに囲まれながら 解剖実習を受けてほしいか。

先生方の熱い思いや、解剖美術画に対する医師としての視点をたくさんお聞きし

とてもとても貴重な経験をさせて頂きました。


厳しい実習の場ではありますが、祈りの空間として

この美術画たちに囲まれて 古くから脈々とつながれてきた医学の歴史や人々の命

未来を感じていただく一助となることを陰ながら願っています。


(MN)







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